2013年9月アーカイブ

偽物

本を読み疲れた手を置いて社内の中空に目をむけ、思考を改行すべく溜息をついた
思考にはまり込んでいた世界に現実の音が流れこんでくる。
新幹線のアイスクリームか。
お姉さんの肩をぽんぽんとたたいて呼び止めて注文する。
「バニラにしますか?メロンにしますか?」
「めろん?」まさかの提案に耳を疑う、新幹線アイスといえば、バニラと決めつけていた自分は思考が停止した。
新幹線で、まさかのメロン味の提案にとまどう。
俺は果敢に攻める事にした。
メロンの奴はかちんかちんにこおってやがる。
まるでスプーンが立たない。
お姉さんの提案を採用し、数分やんんわりしてくるのをまつことにした。 汗をかき始めたメロンの奴はほどよくふやけてきた。
プラのスプーンをサクリと音を立ててうけいれて、ぱくりと口に入れた。
何とも言えないケミカルなメロンの味。
それともメロンがケミカルなあじなのか?
この体に悪そうな偽物のメロンの味が、この瞬間なんとも旨い。
本物ばかりが正解とはかぎらない。
たまには偽物もいいものだ。